【技術士補R6 基礎科目】I-1-2「限界状態」問題の解説と解答|3つの違いを文章から読み解こう!

※本問題は、公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題(令和6年度)」より引用しています。
出典: https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_1.pdf

I-1-2 問題

I-1-2 限界状態設計法は構造物に生じてはならない限界状態を設定し、その状態の発生に対する安全性を個々に照査するものである。限界状態は一般的に大きく分けて、終局限界状態,使用限界状態,疲労限界状態に分類できる。限界状態に関する次の(ア)~(ウ)の記述について、それぞれを表している限界状態の組合せとして、最も適切なものはどれか。
(ア) 通常の供用又は耐久性に関する限界状態である。
(イ) 荷重が繰り返し作用することによって生じる限界状態である。
(ウ) 最大耐力に対応する限界状態である。

   ア       イ      ウ
① 使用限界状態 終局限界状態 疲労限界状態
② 使用限界状態 疲労限界状態 終局限界状態
③ 終局限界状態 疲労限界状態 使用限界状態
④ 疲労限界状態 使用限界状態 終局限界状態
⑤ 疲労限界状態 終局限界状態 使用限界状態

解説

限界状態に関する問題です。

時々出題されていますので、過去問を解いて覚えておきましょう。

それぞれの限界状態の簡単な説明は以下の通りです。

3つの限界状態
  • 使用限界状態:通常の使用条件下で機能を損なう限界の状態
  • 疲労限界状態:繰り返しの荷重によって構造物が疲労破壊を起こす限界の状態
  • 終局限界状態:構造物が破壊する、またはそれに近い状態になる限界の状態

限界状態について知らなくても、文章から推測することもできます。

まず、(ア) については「通常の供用」に関する限界状態であると書いてあるので、通常の使用」と読み替えることができます。よって、(ア)は「使用限界状態」。

次に、(イ) は「荷重が繰り返し作用する」ことで起こる限界状態とあるので、繰り返せば疲労が蓄積すると考ることができます。(イ)は、「疲労限界状態」。

最後に、(ウ)は「最大耐力」に対応する限界状態とあり、耐久の限界(=終局)であると読み替えることができます。(ウ)は、「終局限界状態」。

上記の考え方で解答を見ていくと以下のようになり、(ア)と(イ)が分かった段階で②に絞り込むことができます。

   ア       イ      ウ
使用限界状態 終局限界状態 疲労限界状態
使用限界状態 疲労限界状態 終局限界状態
終局限界状態 疲労限界状態 使用限界状態
疲労限界状態 使用限界状態 終局限界状態
疲労限界状態 終局限界状態 使用限界状態

解答と注意点

解答:

知らない言葉が出てきたとしても、文章から読み解くことができる場合があるので諦めずに解いてみよう!これぞ文系の戦い方!

要点まとめ
限界状態内容キーワード
使用限界状態通常使用で支障が出る状態変形、振動、快適性など橋の過度な変形、建物のひび割れ
疲労限界状態繰り返し荷重で破壊が進行する状態繰り返し荷重、亀裂成長毎日大量の車両が高速道路を通行することで亀裂が徐々に進展していく
終局限界状態破壊や倒壊など、構造物としての限界状態最大耐力、崩壊、破断橋の崩壊、建物の主要部材の破壊

✨もるみ先輩の評価コメント(出題頻度&解答優先度)

基礎問題は6問中、3問を選択解答します。

過去10年分のデータから、「よく出る問題か」「解答する3問に入るテーマか」という視点で独断と偏見による評価をします。問題の好みや得意分野は人それぞれのため、私の個人的な意見としてあくまでも参考として見ていただけたら幸いです。(もるみ先輩が捨て問だと思っていても、得意な人からしたらその問題は得点源です!)

頻出度:★(直近11回の試験で2回)※限界状態のみにフォーカスした問題はR6のみ。

解答候補としての優先度:◎(言葉は知らなくても文章から読み解ける)

文章から読み解けるラッキーな問題なので、確実に取りたい1問!聞いたことない言葉だから、わからないと飛ばすのはもったいない。

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