※本問題は、公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題(令和6年度)」より引用しています。
出典: https://www.engineer.or.jp/c_topics/010/attached/attach_10606_1.pdf
I-1-5 問題
I-1-5 ある工場で原料A,Bを用いて,製品1,2を生産し販売している。製品1,2は共通の製造ラインで生産されており,2つを同時に生産することはできない。下表に示すように製品1を1㎏生産するために原料A,Bはそれぞれ1㎏,3㎏必要で,製品2を1㎏生産するためには原料A,Bをそれぞれ2㎏,1㎏必要とする。また、製品1,2を1㎏ずつ生産するために,生産ラインを1時間ずつ稼働させる必要がある。原料A,Bの使用量,及び,生産ラインの稼働時間については,1日当たりの上限があり,それぞれ12㎏,15㎏,7時間である。製品1,2の販売から得られる利益が,それぞれ300万/㎏,200万/㎏のとき,全体の利益が最大となるように製品1,2の生産量を決定したい。1日当たりの最大の利益として,最も適切なものはどれか。
製品1 製品2 使用上限 原料A〔㎏〕 1 2 12 原料B〔㎏〕 3 1 15 ライン稼働時間〔時間〕 1 1 7 利益〔万円/㎏〕 300 200 / 表 製品の製造における原料の制約と生産ラインの稼働時間及び販売利益
① 1,200万円
② 1,500万円
③ 1,600万円
④ 1,800万円
⑤ 1,920万円
解説
最大利益を求める問題です。
度々出題されていますので、算出方法を覚えておきましょう。
ライン稼働時間に着目して、場合にわけて考えてみましょう。
製品AとBを1㎏生産するために、それぞれ稼働時間が1時間かかることがわかります。ライン稼働時間は7時間が上限なので、製品AとBをあわせて最大7㎏生産することができることがわかります。
したがって、製品AとBについて合計7㎏になるように、場合にわけて下記のように考えてみます。
【1】製品1を1㎏、製品2を6㎏生産する場合
製品1 | 製品2 | 使用合計数 | 使用上限 | |
原料A〔㎏〕 | 1×1=1 | 2×6=12 | 13 | 12 |
原料B〔㎏〕 | 3×1=3 | 1×6=6 | 9 | 15 |
ライン稼働時間〔時間〕 | 1 | 6 | 7 | 7 |
利益〔万円〕 | 300×1=300 | 200×6=1200 | 1500 | / |
原料Aの使用合計数に着目すると、使用上限12㎏に対して13㎏使用してしまっていおり、原料が使用上限を超えているため【1】は成立しません。
【2】製品1を2㎏、製品2を5㎏生産する場合
製品1 | 製品2 | 使用合計数 | 使用上限 | |
原料A〔㎏〕 | 1×2=2 | 2×5=10 | 12 | 12 |
原料B〔㎏〕 | 3×2=6 | 1×5=5 | 11 | 15 |
ライン稼働時間〔時間〕 | 2 | 5 | 7 | 7 |
利益〔万円〕 | 300×2=600 | 200×5=1000 | 1600 | / |
原料A・Bについて使用上限以下で生産できており、1600万円の利益になります。
【3】製品1を3㎏、製品2を4㎏生産する場合
製品1 | 製品2 | 使用合計数 | 使用上限 | |
原料A〔㎏〕 | 1×3=3 | 2×4=8 | 11 | 12 |
原料B〔㎏〕 | 3×3=9 | 1×4=4 | 13 | 15 |
ライン稼働時間〔時間〕 | 3 | 4 | 7 | 7 |
利益〔万円〕 | 300×3=900 | 200×4=800 | 1700 | / |
原料A・Bについて使用上限以下で生産できており、1700万円の利益になります。
【4】製品1を4㎏、製品2を3㎏生産する場合
製品1 | 製品2 | 使用合計数 | 使用上限 | |
原料A〔㎏〕 | 1×4=3 | 2×3=6 | 9 | 12 |
原料B〔㎏〕 | 3×4=9 | 1×3=3 | 12 | 15 |
ライン稼働時間〔時間〕 | 4 | 3 | 7 | 7 |
利益〔万円〕 | 300×4=1200 | 200×3=600 | 1800←最大! | / |
原料A・Bについて使用上限以下で生産できており、1800万円の利益になります。
【5】製品1を5㎏、製品2を2㎏生産する場合
製品1 | 製品2 | 使用合計数 | 使用上限 | |
原料A〔㎏〕 | 1×5=5 | 2×2=4 | 9 | 12 |
原料B〔㎏〕 | 3×5=15 | 1×2=2 | 17 | 15 |
ライン稼働時間〔時間〕 | 5 | 2 | 7 | 7 |
利益〔万円〕 | 300×5=1500 | 200×2=400 | 1800 | / |
原料Bの使用合計数に着目すると、使用上限15㎏に対して17㎏使用してしまっていおり、原料が使用上限を超えているため【5】は成立しません。
【6】製品1を6㎏、製品2を1㎏生産する場合
製品1 | 製品2 | 使用合計数 | 使用上限 | |
原料A〔㎏〕 | 1×6=6 | 2×1=2 | 8 | 12 |
原料B〔㎏〕 | 3×6=18 | 1×1=1 | 19 | 15 |
ライン稼働時間〔時間〕 | 6 | 1 | 7 | 7 |
利益〔万円〕 | 300×6=1800 | 200×1=200 | 2000 | / |
原料Bの使用合計数に着目すると、使用上限15㎏に対して19㎏使用してしまっていおり、原料が使用上限を超えているため【6】は成立しません。
使用上限内で生産できる【2】【3】【4】の利益を比較して、最大は【4】の時の1800万円であることがわかります。
解答と注意点
解答:④
表と条件をもとに場合分けすれば、計算が苦手でも正解にたどり着けます!
✨もるみ先輩の評価コメント(出題頻度&解答優先度)
基礎問題は6問中、3問を選択解答します。
過去10年分のデータから、「よく出る問題か」「解答する3問に入るテーマか」という視点で独断と偏見による評価をします。問題の好みや得意分野は人それぞれのため、私の個人的な意見としてあくまでも参考として見ていただけたら幸いです。(もるみ先輩が捨て問だと思っていても、得意な人からしたらその問題は得点源です!)
頻出度:★★(直近11回の試験で4回程度出題)
解答候補としての優先度:◎(文章と表の情報整理だけで答えが出るので、数学が苦手でも取りやすい!)

✨場合分けして数字を埋めていくだけで、正解まで一本道!
苦手でも得点できるラッキー問題♪
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